山形のリンゴ
母の故郷、山形県南陽市赤湯ではもう冬の声が聞こえている事でしょう。
母の長姉から毎年リンゴを送っていただいています。
赤湯はリンゴも美味しいですよ。
よく母が、山形にはバナナ以外果物はなんでもあると自慢してたものです。
頂く果物で四季を感じ、味覚、嗅覚、歯ごたえで色んなことを思い出します。
私は堅いリンゴを皮ごと食べるのが好きです。
歯ごたえやら、皮や、皮と果肉の境目辺りの味が確認できて好きなのですが、母の配下にリンゴたちが入るとそうはいきませんでした。
私たちが食べやすいように皮を剥かれ、塩水に浸けて器に盛られたものがいつも大量に冷蔵庫に控えてました。
箱で買うか、もらったリンゴに加えて父の実家も長野の農家ですので長野からもリンゴは届きます。
一時期に大量のリンゴたちが母の配下にくだるのです。
これでもかこれでもか、といつも冷蔵庫には塩漬けのリンゴが私たちの胃袋に収まるのを待ってました。
母には白く美しいリンゴの果肉が変色するのが許せなかったのでしょう。
リンゴに責任はありません。
職業婦人の母は効率と私たちの健康を考えての行動、責める気はありません。
でも、塩味のリンゴは好きになれませんでした。
今は懐かしい母の味となっています。
来週末には皮を剥いたリンゴをどっぷり塩水に浸けて母に持って行きます。
そして、最後になるであろう自慢の赤湯の味を母と一緒に味わうこととします。
しょっぱいリンゴを口にして冬の到来を感じる季節となってきました。