腹も身の内… ですね。
もう二十年も前のこんな寒い頃だったように記憶してます。
たまに近所に住む会社の先輩と帰りが一緒になりました。
そんな時に必ず「どうだ、一杯。」と誘ってもらい、鶴橋で途中下車しました。
よく食べ歩いているその先輩に連れて行かれるのはいつもガード下の旨い串焼き屋でした。
いつもは並ばないと入れないのですが、何故かその日はスッと入れたのです。
そしてカウンターの席に着くといつもと違う風景、親父がいないのです。
いつも不健康そうで無愛想な親父が病欠でした。
「ヤバイなぁ。」嫌な予感がしました。
私も二日酔い続きで迎えた週末、ズル休みしたいくらいシンドかったのです。
新鮮で旨い生の臓物を食べさせてくれる店です。
いの一番に私の知らないカタカナの希少部位を先輩は注文してくれます。
奥さんらしき人がさばき、盛られた皿が目の前に置かれます。
先輩はほぼ手を付けず私が平らげることとなりました。
いつも先輩が先に支払いを済ませてくれます。
そんな先輩の勧めを残す事など出来ません。
なんかいつも違うと思いながら箸をつけていました。
一緒に電車に乗り駅で別れ帰宅しました。
翌日からです。
原因不明の微熱と身体のダルさがなんと1ヶ月以上続いたのです。
それ以外に無いと思っていました。
ヤバイ状態だったんでしょう。
フグでも肝を食わせる料理人がいるくらいです、セミプロが触るには危険な食肉部位もあるのでしょう。
とりあえずその後それに関する不具合や健康診断の血液検査に異常はありません。
と、こんな経験をしながらも 未だに腹と身の分離している自分を自覚する今日この頃です。
その先輩は現在五位堂で大変美味しい蕎麦屋さんをなさってます。
お口直しに… 、