続く雨降り思い出すのは
数十年に一度の豪雨とのこと、大変な被害が各地に出ており被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。
こんな雨で思い出すのは『木枯らし紋次郎』のある回です。
舞台は長雨が続き、止まっている渡し舟が出るのを待つ旅人が泊まる木賃宿、全く止む気配の無い雨模様の下で皆が苛立っています。
そこで始まる賭博でのいざこざ、巻き込まれる関係ない旅人たち、「あっしには関係ないこと…」と言いながら最後には剣を抜き喧嘩剣法で切り抜ける。
そんな内容だったように記憶します。
続く長雨と暑さの中で皆汗まみれでした。
夏だったのでしょう。
私も汗ばんでいた腕をさすりながら我慢出来ないなと思っていました。
暑さにも寒さにも強い私ですが、その後いずれは風呂で汗を流せる、そんな当たり前が待っているから出来る我慢なのです。
1995年の阪神大震災で神戸に応援で行かされた時もずっと風呂には入れませんでした。
でも私には神戸から離れた奈良に平穏の中に佇む自宅の風呂が待っていました。家が無くなってしまった被災した皆さんの不便を強く感じる中、私は我慢出来ないことはありませんでした。
皮膚が感じ時々記憶に繋がることがあります。
陽の光であったり、風であったり、はう虫であったりいろいろですが、雨で皮膚の感触を思い出したのは初めてでした。
小学生の頃、遅い時間の放映だったと思います。
両親の寝た時間にテレビのスイッチを入れ、ソファで膝を抱えて上條恒彦の歌う「誰かが風の中で」を聞いた瞬間に木枯らし紋次郎の世界に入っていました。