夏の思い出
さらば夏よ、と言いたいところですが本日の最高気温も体温ほどでした。
一体日本の気候はどこに向かっているのでしょう。
学生の頃です。
当時はどこの道場も天然冷暖房が当たり前でした。
そして、夏も冬も滝のような汗をかいての稽古でした。
武蔵大学合気道部の夏合宿は当時は毎回白馬村神城にあった大わで荘でした。朝晩は涼しく、午後にはヒグラシの鳴き声を聞きながら稽古したものです。
そんな白馬でも昼間の暑さは格別でした。そしてその頃はどこの運動部でも稽古中、練習中に生水は厳禁でした。
稽古中ばかりでなく日常の生活中もお茶以外は飲むなと言われていました。
そして素直な私たちは先輩の言いつけをきき、冷たく美味そうな白馬の水を我慢して横目で見ていました。
よく誰も倒れなかったものです。
市橋師範がいらっしゃって稽古後背中を流しに同期の幸本と当番を仰せつかりました。
その時の記憶は風呂を片付けながらゴクゴクと飲んだ白馬の水が冷たく美味しかった事だけです。
その後、生水厳禁は市橋師範の耳にまで届き『あの東京のまずい水を飲んで腹も壊さないお前らがこの白馬の水を飲めんとは白馬の方をバカにするのもいい加減にしろ』と一喝のもと白馬の美味しい水は解禁となりました。
今の若者たちには信じられない戒厳令下で緊張して七泊八日の合宿に耐えました。
でもこれがケガも熱中症も無かった秘訣かも知れませんね。
これが私の今日の夏の思い出です。