変わらぬもの
また今年もスチューベン。
母のお姉さん宅からの秋の便りです。
有り難い、の一言です。
甘く濃い秋を家内とともに味わいました。
そして今日は母のグループホームでの最後になるかも知れぬ敬老会でした。
顔色は悪くなりつつあるものの、変わらぬ母の笑顔がありました。
余命幾ばくかも分からぬ中、手作りの介護で母は幸せに最後を迎えつつあります。
母たちの出し物は各人の得意な歌でのカラオケ大会でした。
母は職員さんたちのお気遣いでトリでの登場でした。持ち歌は『花笠音頭』です。
ほんの二、三分の出番だったのですが段ボールを丸く切り抜きカラーのティッシュを使っての花笠を用意していただいていました。
ところが、耳が遠いからなのか、気が向かないからなのか、全く歌うことの無い母でした。
こんな事もイレギュラーにならないグループホームです。
その他は台本通り進み、最後でまた気を遣ってくれての母の一本締めでした。
そこでマイクが渡って来た母は急に『花笠音頭』を歌い出したのです。音程も外れる事なく聞くに耐える声で歌ったのです。
これは想定外の出来事だったようです。
目頭を押さえる介護員さんもいました。あとでこのおばあちゃんにもほめてもらいました。
変わらぬもの、それは山形の季節の味と母の笑顔でした。