我が家のトラ
父が他界して愛知県豊川市から連れてきた父の愛猫である。
名前は『トラ』兄貴が命名した。
茶トラ白猫なので『トラ』て間違ってはいない。
おっとりした性格の良い猫である。
父の最期に近づき、その先を決めかねていた父を安心させるように家内が引き取ると申し出て大阪まで連れて来た。
あれからもう八年が経つ。
多分十五歳にはなろうと思う。
大阪に来たての頃は10キロ近かったが、最近は8キロほどである。
子供の頃から猫とともに育った。
ずっと猫とは干渉し合わない、互いに存在を認めている程度の関係である。
でも家内とは実に仲が良い。
自分の母親と認識しているのではとも思える。
私のそばにいる時には見せない表情を見せる時がある。
猫にも感情はある。
喜怒哀楽がある。
犬も長年飼ってきたが、猫の方が賢いと思う。
人間と動物の区別となる理性もあるように思う時もある。
もうそろそろ尻尾が二股に分かれる時期を迎えるのかも知れない。
近くにいるだけで安心出来る存在である。
もう少し大事にして彼らの最期まで一緒に生活してみようと思う。
実は三毛猫の『マダラ』もいる。
こっちも兄の命名、マダラ模様の三毛猫であるから、これも間違いない。
しかし、おばあちゃんの彼女には少し可愛そうなネーミングである。
家内はその鳴き声から時々『ブーニャン』と呼ぶ。
まあ、似たようなものであろう。