スタンディングみや(でした。)

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酷暑続き

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とんでもない暑さが続いています。

例年のように電力消費を控えるようにアナウンスする事はなく、ためらわずにクーラーのスイッチを入れてください、と連日テレビが叫んでいます。

命に関わる暑さなんて言葉も今まで無かったのではないでしょうか。

本当に異常な暑さなんですね。

皆さん、上手にこの夏を乗り切ってください。

さて、また俳句サイトに取り上げられた私の作文です。

 

少年の頃 海の日 7月20日
青い空に白い入道雲そして広がる海、夏休みの始まりである。
買ったばかりの父の軽ワゴンに家族四人で乗り込み海水浴に行った。愛知県豊橋市渥美半島の付け根、伊良湖岬に行く途中にある。半島の外側は太平洋、波が荒く遊泳禁止の外海では両親には内緒で悪友と泳いだ。白くどこまでも続く太平洋岸の砂浜の行き着く先は島崎藤村のうたった『椰子の実』の恋路ヶ浜である。この歌に心打たれるのはまだまだ先である。
そんな外海とは対照的に内海は静か過ぎるくらい静かだ。国道から脇道に入って松の林を抜けると小さな入江が目に入る。そこに臨時の海水浴場があった。両親の監視の下、障がいを持つ兄と浮輪につかまり日がな一日クラゲのように漂った。そして昼は塩辛い母の作った握り飯を食べた。それから兄は木陰で昼寝、私はまたクラゲになった。一日良い子でいた。
父母は夏休み初日に親としての義務を果たし、次の日からは毎日働きに出た。私は兄とまだクーラーなど無いアパートで休みの間を過ごした。はっきりしない漠然とした不安を抱え本ばかり読んでいた。
夏の日、夏休みが始まるとあの時の気持ちが心の底から湧き上がってくる。青い空、白い入道雲とは対照的なモノトーンなあの部屋の灰色が心に広がる。