雨の夕方
8月19日、盆休み明けの月曜日。
眠い目をこすりながら皆さん仕事に向かったのであろう。
小学生の頃ならばまだまだ夏休みが続くと信じこみ、毎日遊びまわっていたに違いない。
あの頃は雨が嫌であった。
梅雨からまだ暑さの残る秋の長雨までジメジメした部屋にいるのが嫌であった。
クーラーなど普通の家庭にはまだなかった。
兄と一台の扇風機を取り合い、よく母に叱られた。
並んで兄の体温を感じながら扇風機の前に座りたくはなく、首振りなどはもっての外であった。
いろんなものを取り合い、兄とはケンカしたものであった。
しかし、数あるケンカの中でもこの扇風機の取り合いは、大汗をかく本末転倒の不効率な戦いであった。
夕方、出掛けに雨が降りだした。
そんなことを思い出しながら駅に向かった。
以前よりは雨は嫌いではない。
一人部屋にこもって本を読む。
考えごとをするには最適である。
そして、これから一雨ごとに暑さは和らぐのであろう。
何かをしていても、してなくても季節は巡りもうそこまで秋は来ている。