スタンディングみや(でした。)

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母の隣人

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母の向かいの部屋のとし子さんの話で

す。

とし子さんは母よりもだいぶお年はお若いようです。

その存在は知っていましたが、今回初めて言葉を交わしました。

施設の方針でまだその気力を持つ母は皆さんと同じ食卓で食事をいただきます。 

たまたま母は入浴後すぐの食事となりました。

やはり疲れるようで食卓にたたんだタオルに頭を置きグッタリしていました。

母が楽になるかと思い肩を揉み続けていると、横にいたとし子さんが立ち上がり不自由な身体をゆっくりゆっくり動ごかして、大丈夫かなと見ている私の横に来て「代わって。」と言います。

初めて言葉を交わし、その焦点の合わぬ眼を見て初めてとし子さんは目が不自由なんだと気付きました。

そしてとても上手に母の肩を揉みだしました。

前に顔を向けたまま「中学は豊橋の盲学校に行ったの。高校二年三年でマッサージをならったの。お父さんが仕事場の方向が一緒だっから送り迎えしてくれたのよ。毎日4時10分の電車で帰ったの…… 。」少しだけ話を聞くことが出来ました。

 

気の良い母は元気な頃いつも目の不自由なとし子さんを気にかけていたようです。

とし子さんも優しい女性です。

母の肩にかける手を、生きるために人の肩を揉み続け変形してしまったその指を見て、とし子さんの半生を知ってしまったような気がしました。

 

優しいご両親のもと、温かな家庭で過ごされたんだと思います。

その優しいご両親は先立たれているのかも知れません。

とし子さんもこのグループホームが終の住処になるのかも知れません。

 

母の大切な隣人です。

私は何も出来ませんがとし子さんはいつまでもお元気に母の肩を揉み続けて欲しいです。

そして次は私がとし子さんの肩を揉みます。