マカロニな午後
ごく近所に店をやってた時のお客さまが引っ越して来ました。
そして昨日、お宅に招かれました。
午後の早い時間から再会を確認して宴は始まります。
久しぶりに作ったマカロニサラダを喜んでもらえました。
ゆるゆると昼のアルコールはカラダにしみて行き心地よい時間が流れていきました。
今回も俳句の投稿サイトで登場した文章です。
季題は『鰯雲』でした。
またこの時期がやって来るのだ。初めて経験、意識したのは中学三年の時だったと思う。だるく退屈な夏休みは終わりに近づいていた。今より朝夕は涼しく、季節にメリハリがあった。『暑さ寒さも彼岸まで』がまだ死語となる前のことであった。夕刻に近い午後、自宅より豊橋駅前にある精文館書店に向かって自転車を走らせていた。一級河川豊川沿いの旧国道1号線、昔の東海道を30分程の道程だ。その日のその瞬間を私の肌は覚えているのである。力一杯ペダルを漕ぎ吹き出す汗を、肌にまとわりついていた夏の空気を、一瞬で剥がされたようであった。そこから空気の層が変わっていたようだった。秋に飛び込んだって感じだった。何か新しいことが始まるような予感がしてあたりを見回し、空を見上げれば真っ赤な夕陽に染められた鰯雲が美しかった。それから毎年この時期、肌で感じる秋の訪れを待ち侘びている。