少し早い独りきりの花見
その名の通り小さな坂のある町です。
その昔、一級河川の豊川(とよがわ)が氾濫し、出来た河岸段丘の一部です。
豊川放水路が出来た今はもうそんな事はありません。
でもそのおかげで地下水が豊かな農地が広がっている名前の通りの小坂井町です。
昨日は車での移動でした。
兄と別れて昼過ぎに母のグループホームに着くと母は寝ていました。
ずっと寝ていました。
寝ている時間は間違いなく多くなっています。
時間となり、そのまま帰ることにしました。
するとその時間にいつもの職員さんが出勤です。
「ハルヱさんと河津桜を見に行けたら良かったですね。」とポツンと赤く咲く桜の木を指差します。
車椅子でその下まで毎年行っているそうです。
知りませんでした。
濃いピンクが木の形を作り農道の向こうに立っています。
ひと昔前には地元の方は農作業の間に花の下で花を愛で、葉の繁げる夏場にはその緑の下で涼をとったことでしょう。
たぶん母と行く事はないでしょうその河津桜の下まで行き、この桜での母のたくさんの笑顔を想い帰路につきました。
夢の中河津桜の下で会う
右下のレンガ色の屋根の下に母はいます。
散髪屋の謎
最近時々1,080円の散髪屋に行く。
空いていれば、とにかく便利である。
顔剃りしてくれる普通の散髪屋と交互で行っている。
どのように整髪してもらうのか説明が難しいので、「伸びたひと月分切って下さい。」といつも同じことを言っている。
が、しかし、だ。
毎回仕上りが違う。
カットする人が違うからと思っていたが、最近気付いた。
オレのその時の顔じゃないのかと。
日曜日の稽古の帰り、清々しい気持ちで「ひと月分」と頼むと若々しく仕上り、
今日のように疲れ切った顔で「ひと月分」と頼めば年齢なりのオッさんの頭に仕上がる。
「なるほど」と独り言ち猫に問い掛けるが、わが家の猫は「ニアウ」としか言わない。