キャベツ畑の子供たち
以前から電照菊で有名な地域、きゅうりのキューちゃんの東海漬物の工場もあります。
現在はトヨタ自動車の恩恵を受けており、整備された美しい町には余裕を感じます。
ここに兄が世話になっている施設があります。
昨日は兄の顔を見に行き、その足で母のもとに寄りました。
車椅子の兄を車に乗せて走るとこの時期、畑は一面がキャベツの濃い緑でおおい尽くされています。
一面そればかりというのは、なかなか不思議な風景です。
スティーブンキングの『トウモロコシ畑の子供たち』を思い出しました。
子供達が教祖を中心に世界を作り上げ、大人狩りするようなホラーだったと思うのですが、このキャベツ畑にトウモロコシのような背丈は無く隠れて悪事を働く事は出来ません。
その気になれば一つくらい失敬して大阪への土産にもなるでしょうが … 。
田原の農家の皆さん、性善説のもとに美味しい野菜を育て上げて日本全国に出荷しているのでしょう。
大阪のスーパーで田原のキャベツを求めることにします。
キャベツ畑の子供たちと出会うことも無く、これから最盛期に入るのであろう収穫の風景に出会い田原市を後にしました。
思い、考えること
『人生八十年』、この歳になりその言葉がしみじみと感じられます。
いつまで健康で仕事をしつつ合気道を続けていけるのか、理想は死ぬまでと思っていました。
そんなところに大先輩の訃報が届きました。
稽古中道場で倒れそのままだっそうです。
私一人であれば理想かもしれませんが、一人で生きているわけではありません。
いろいろ考えさせられました。
大先輩のご冥福を心よりお祈りします。
さて本日も俳句投稿サイトからの文章です。
季題は『胡桃』でした。
青く茂る胡桃の木、葉の間から顔を出す緑の丸い実にあの硬い大きなタネが潜んでいるなんて私には信じられなかった。
山形県西置賜郡小国町、新潟との県境、山形でも有数の積雪地帯と聞いている。
ヒロエさんの故郷である。
亡くなったヒロエさんは辛抱強く優しい女性だった。
私が一度だけ小国町に行ったのはヒロエさんの亡くなったあとである。
認知症を発症していた母が最後になった帰郷の際ヒロエさんの親戚に会いたいと言い出し、車で日本海側からJR米坂線に沿って南陽市赤湯に向かった時である。
空が青く、濃い緑の間を流れる小国川の清流の輝きが今も脳裏に残っている。
こんな美しい土地で育ったヒロエさんは優しかった。
生前、人生の転機に差し掛かっていた私に「ひでき君、自分を信じなさい。幸せになりなさい。」と背中を押してくれた。
ヒロエさんの生家の前にあった胡桃の木、小国の胡桃は山奥の盆地の猛暑に耐え寒い寒い冬に備え力を蓄えるのだろう。
ヒロエさんは胡桃のような女性だった。