竹内君と食べたコロッケパン
スーパーやコンビニでコロッケパンを見かけるといつも思い出すことがある。
社会人になった昭和六十年、東京津久戸町にあるゼネコン本社で秋口まで研修を受けていた。
その時の同期の一人竹内君とは同じ体育会出身で気の合う男だった。
その時、彼は自宅から通い私は足立区の寮にいた。
ある日いつものごとく調子よく酒を飲み、帰る電車を二人とものがして竹内君の後をついて彼が所属の近所にある東京支店の寮に泊めてもらった。
そしてその翌日、昼も彼と一緒だった。
二人とも金を使い果たしポケットには小銭しかなかった。
二人でパン屋に行き食パン半斤を買い、その足で肉屋に行きコロッケを買ってその場でパンに挟んでソースをかけてもらい公園で食べた。
もう三十年以上も前のこと、全てはセピア色の記憶に変わっている。
今よりも、時間の進み方が遅かったような気がする。
最近見かけるFBでの竹内君はサッカーを続け、母校の営業をし、毎晩腹一杯酒を飲んでいるようである。
元気そうでなによりである。
そろそろまた一杯やらなきゃなぁ。
竹内よ、そのうち出て行くよ。
その時はあの頃を思い出して神楽坂で朝まで飲もうか。