茶を頂き考える
河内山本のおやつ屋『iroha』まで家内と足を運ぶ。
やはりいい時間が流れている空間である。
マダムとお母様の人柄が作り出すのであろうが扱う商品と立地が良いと思う。
どこにでもありそうな焼き菓子であるが素材にこだわり、それを口に運ぶ客の身体と心の健康を考えている。
駅には近く、しかし誰もが往来するような一等地ではなく、雰囲気の悪くない駅裏である。
思いを持った客が足を向け易い立地である。
そして価格もよい。
ケーキ一つが牛丼一杯の値段と同じなんて私的には馬鹿げているように思える。
百円代の焼き菓子たちはコーヒーや紅茶とともに客の心を癒し、疲れて帰ってきた子どもたちの心と胃袋を満たして、そのあと待つ家族揃っての温かな夕餉の時間につなげてくれる。
たかが焼き菓子、されど焼き菓子である。
またお茶とお菓子をいただき、私がここまで生きてきた中で過ごすことの無かった時間を過ごす。
若い頃に来ても別段感じることは無い店なんだとも思う。
年齢なんだろうか、それとも今まで積んできた自分の人生なんだろうか嗜好の移ろいを不思議に思う。