趣味は何ですか?
自分の趣味は何なのかと思う。
広辞苑によると『趣味』は
・感興をさそう状態。
・専門家としてでなく楽しみとしてする事柄。
とある。
趣味は何かと聞かれると読書と答えてきた。
子どもの頃から身近にいつも本があった。
これは両親の教育方針であった。
人より数だけは本と接してきたかも知れない。
文庫本か新書を必ず内ポケットに入れて独りになれるとすぐに続きに目を移す時期もあった。
その頃は外出時の本、自宅の本、自宅では寝室、トイレ、その他と3、4冊を同時に読んでいた。
読書中は自分の時間だ、もちろん興味のある本しか読まないし、楽しみの時間である。
しかしある時期から昔ほど読まなくなっている。
そして広辞苑にはもう一つ
・ものごとのあじわいを感じる力
とあった。
文学性が高いと言われる文芸書を読んでもその良さを自分がどこまで理解しているのかいつも疑問であった。
これを考えると十数年前にやっていた陶芸にはあじわいを感じていたように思う。
息子と始めた陶芸は土を捻り思いの形を作りあげる。
粘土と釉薬で色も趣きも変わる。
これは私の感興を誘い、楽しみであった。
自分の工夫でどうにでも出来るのが楽しみであった。
焼き上がった作品にあじわいを感じ、それに注いだ酒をあじわうことも出来た。
写真の湯呑みは種類の違う土の紐を用意して練合わせた。
陶芸の先生に出来栄えよりも創作の発想をほめられた。
気に入ってまだ自宅で使っている。
でも今は陶芸からは離れてしまった。
モノを作ることに楽しみを感じるようである。
有形、無形のモノのどちらでもだ。
私の無形のモノは人との関係である。
今までお付き合いしてきた多くの人たちとこれからも共有する時間を時々持ち、これからの私の人生に登場するであろう方々との人間関係を大切にしてこの先を生きていくであろう。
でもこれも広辞苑の『趣味』の定義からは外れるような気がする。
結局私には趣味は無いのかも知れない。