人生の手本
道場を始めた3年前から稽古されてるから70歳でのスタートである。
『年齢なりの合気道』を指導します。
と触れ込んでいたのでどう教えていこうかと考えたが、まったくの杞憂だった。
市のスポーツセンターでトレーニングを続け、いろんな事に前向きに取り組む方であった。
70歳あたりで受け身が取れなくなる有段者がたくさんいるが、この方は今では危なげない受け身を取り、私たちと一緒に稽古している。
そしてすごいのは合気道だけに興味を留めないところである。
一年ほど前からだったと思うが、演劇を始めている。
シニア劇団ではあるが、前回は準主役を務めて家内は劇場まで行って来ている。
今回の公演には必ず私も行こうと思っている。
そればかりではなく、東京オリンピックの聖火ランナーの申込みもされている。
とにかく元気な73歳だ。
来年この方が聖火ランナーとして大阪の街を走る姿を見てみたい。
そして袴をはいたこの方と合気道の稽古をしたい。
もう遠くない先に待っている未来である。
無駄な金をかけず自身のやりたいことを見つけ、余る自身の時間を有意義に過ごされている。
ある意味、これからの高齢化社会の見本を示されているように思う。
いつまでも興味と努力の泉の尽きないこの人生の先輩を尊敬して、私のこれからの人生の手本としたい。