ワラジ抜き
『ワラジ抜き』こんな言葉をご存知ですか?
私も初耳の言葉でした。
7年前の暮れも押し迫った28日に父は闘病の末他界しました。
その時年末にもかかわらず赤湯から車で駆けつけてくれた従兄たち三人です。
母のアルツハイマーはひどく進行し、兄の病状も悪化する中、この三人と東京からの従姉二人は本当に心強いものでした。
それまで親戚っていうものをあまり意識する事はありませんでした。
私の生き方の指標を変える出来事だったのです。
一人で生きてるんじゃないとつくづく思ったものでした。
そんな三人が帰郷した晩に高齢で参列出来なかった叔父貴が三人への労いのために催した飲み会が『ワラジ抜き』なのです。
長い旅を終えた者にワラジを脱がして心身の疲れを癒す、なんともいい言葉だと思いました。
それから毎年師走の30日に『ワラジ抜き』が恒例になったそうです。
いつかは私もご一緒させていただきたい寒い寒い赤湯での温かな『ワラジ抜き』です。