『親しき仲にも礼儀あり』
紙の手紙を出す時必ず時間を置いて読み直し、封をして投函する。
夜書くことが多いからかも知れないが、朝読み直すと自分が書いた文章なのかと目を疑う時がある。
恥ずかしくなったり、情けなくなったりだ。
それでも、こんなゆるゆると流れる時間が良いように思う。
メールはよくない。
顔を合わせているわけでもないのにその時思ったことを相手にぶつけてしまえる。
相手の顔色を伺う事もなく、もう一つ踏み込んで考える事なく発信してしまえる。
感情のぶつけ合いになりかねない。
それがいいと言う人も、場合もあるだろうが、なんと言うのだろうか、『奥ゆかしさ』が希薄である。
相手の言いたい意図を考えつつ話を進める中で相手のものの考え方も分かる。
ストレートな感情のぶつけ合いだけでは本当の人間関係は出来ないような気がする。
結果や結論だけで事足りるならば、見せかけの人間関係だけでいいのだろう。
しかし、私はその過程を大切にしたい。
個人的な意見だが、そんな相手と酒を飲んでも美味くはない。
気のおけない何でも話し出来る相手でも、互いに相手をおもんぱかる事の出来るのが大人の付き合いのような気がする。
『親しき仲にも礼儀あり』だと思う。
また年寄りくさい事を言ってると誰かに言われそうである。
フランスのジアンのコーヒーカップです。