スタンディングみや(でした。)

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ネギを刻み思い出す

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日曜日の晩げの支度時、ネギを刻んでいて大学の同級生を思い出した。

同じ学部の寡黙な男だった。

細身のヤサ男、私は大学の合気道部で彼は運動部には入ってなかったが空手をやってきた男だった。

二人とも人文学部の中でも女性ばかりが集まる学科にいた。

数少ない同性同士、自然と話をするようになり、仲良くなっていた。

決しておかしな仲ではない。

 

数少ない運動部以外の友人だった。

彼の部屋まで時々行き、私の四畳半一間の純和風のアパートの部屋とは違うワンルームの洋室に憧れた。

読む本も違い、時々本を貸してもらった。

三島由紀夫の『実感的スポーツ論』を未だに借りたままである。

 

卒業を待たずして、彼の母親が亡くなった。

すでに下宿を引き上げて実家の静岡県三島市から週に数回だけ大学に通っていた。

 

なかなか彼に会う時間が無く、私は実家に帰る途中三島で途中下車をした。

お母さんに手を合わせて帰った。

 

その彼のことを昨晩ネギを刻みながら思い出したのである。

美味しいネギの食べ方の話である。

彼の祖母が帰省すると畑からネギをとってきて刻んでくれたそうである。

どんぶり一杯のとれ立てのネギに醤油とカツオ節をかけて食べると記憶している。

 

その時は新鮮な美味いネギの旨みや甘みを知らなかった。

ふーんと聞いていただけだと思う。

よくネギを刻むのだが、不思議と昨晩だけ思い出していた。

 

これから寒さとともにネギは自身に甘みをとじこめ私たちの食卓を縁の下から支えてくれる。

 

しかし、今年は食卓の中心になってもらい風邪知らずの冬、インフルエンザもニューコロナも受け付けない冬にしたいと思っている。

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