二つのミカン
早いものでもう十一月である。
今年もここまで忙しく過ぎ去った10ヶ月であった。
合気道阿部野道場はご多分に漏れることなくニューコロナの影響で三月から七月に一度スタートしたものの5ヶ月間休まなければならなかった。
今はマスク着用で稽古している。
こんなスタイルでの稽古に徐々に違和感を無くしつつある。
仕方なし。
長いものには巻かれろ、といったところだろうか。
稽古出来るだけ幸せである。
今日は小学生の稽古生がミカンを二つ持ってきてくれた。
遠足に行ってミカン狩りをしたそうである。
学校へ行くことさえままならなかった時期を考えると本当に良かったと思う。
秋空の下、同級生たちとぞろぞろと電車で移動し知らない土地を歩き、初めてのミカン狩りをして皆で弁当を広げる。
こんな本来ならば当たり前の日常に子供たちもその喜びはひとしおだったのではないだろうか。
その楽しさと幸せのお裾分けのミカン二つである。
夕食後にいただきます。
その二人の小学生の弟さん、私たち二人が夫婦であることを今日初めて知り、驚いていた。
子供らしい子供たちが稽古に来てくれ、にぎやかな温かな時間の流れる普通の日曜日の午後である。
いつまでも続いてもらいたいものです。