夢で会いましょう
愛知に来ています。
昼過ぎに母のグループホームに寄ると末期ガンの母は元気に食事中でした。
横に座ると「昼ごはんは食べたか?」
「食べたよ。」と伝えるとすぐに「これを食べろ。」と自分の食べ残しを私に差し出す。
腹に手を当て「済んだ!」と伝える。
これが三度ほど繰り返えす。
すると隣のおばあちゃんが「兄さんいい男だね。アンタ誰だい?」この人の息子と母を指差すと「似てないね。」と。
これも三回。
毎回のアルツハイマーの母とおばあちゃんとのやり取りである。
でもおばあちゃんいつも四回目には「やっぱ似てるわ。」と。
そして私が両目を指差し「似てるでしょ。ほら、二つある。」でテーブルのおばあちゃん達が笑い昼食は終わる。
明るいグループホームである。
子は親となり、親は老いる。
老いても親はいつまでも子の心配を続ける。
でももう心配はいりません。
親父はあの世でゆっくりしてるよ。
兄貴は俺より強い、どこにいてもマイペースでやってる。
だから何も心配はいりません。
ゆっくりしてください。
夢の中で皆と会いましょう。
50年前の豊川の社宅の六畳間でちゃぶ台を囲んで皆で食事をしましょう。
兄の部屋から地平線が見えます。
その向こうは太平洋です。