ツバメとアキアカネ
五ヶ月振りに母、兄に会いに行った。
今週から兄の施設は条件付きで面会が出来るようになった。
母の施設ではまだ面会は許されていない。
兄は変わらずマイペースで元気そうであった。
母の施設に向かう途中、田原城跡の博物館の駐車場で休憩した。
もうアキアカネが舞っていた。
秋の赤いアキアカネは生態で言えばもう晩期で産卵して一生を終える直前である。
この時期のアキアカネは茶色である。
それを追ってツバメが捕食している。
これから長い旅に出るツバメ達がその準備をしているのであろう。
田畑が広がり、緑の多いこの渥美半島の付け根の田原市はツバメの子育てに適した場所なのであろう。
いつまでも飽きずに眺めていた子どもの頃を思い出しながら母の待つグループホームへ向かった。
五ヶ月振りの母も私には変わったようには見えなかった。
でも寝たきりとなり、固形物は食べれなくなっていた。
やっと七月から面会で出来るようになったそうである。
まだ謝絶が長引くのであれば、介護のおばちゃん達は私が面会出来るように嘆願書を書く準備をしてくれていたそうである。
皆さんに感謝ばかりである。
フィリピンからの優しい技能実習生も加わっていた。
心のこもった介護をしてくれるグループホーム『れんげそう』である。
安心して愛知を去った。
そしてまた愛知通いが始まる。