兼題 『茸』 きのこ
なんだか体調が悪く、パソコンの具合が悪いことを理由にブログの更新をサボってました。
大好きな餃子でも食べれば元気が出るだろうと信じて王将へと向かいました。
本当に体調が悪ければ餃子なんで食べたくないでしょうから、気持ちの問題だけかも知れません。
季節の変わり目で風邪が流行っているようです。
どうやら私は心が風邪を引いたのかも知れません。
いつもの俳句投稿サイトの発表が今週です。
兼題は『茸』きのこ
本番の俳句の選は明日からです。
今日はお便りコーナーでした。
その中での私の文章です。
◆今週のオススメ「小随筆」
お便りというよりは、超短い随筆の味わい。人生が見えてくる、お人柄が見えてくる~♪
●信州、父の田舎は山の中である。
キノコの国で私は一時期を過ごした。
秋に裏山に入れば不思議なキノコによく出会った。
カラダに悪そうなオレンジ色のキノコや押せば真ん中にあいた穴から白い胞子が飛び散るキノコ。
息を止めて何度も何度も胞子を飛ばした。
どう考えても口には運びたくないキノコばかりだった。
父の実家はまだ囲炉裏のある家だった。
網をかけ、焼いてくれた椎茸は子どもの私にも愛知のスーパーで買ったそれとは別物であることが分かった。
椎茸を焼く網を伯父さんが持ち出すのを心待ちにしていた。
裏山で栽培していた採れたての椎茸の贅沢な思い出である。
しかし、私の『茸』はもっと身近な簡単なもの、いつでも冷蔵庫にある『なめ茸の瓶詰』なのである。
昭和で言えば40年代になる、職業婦人の母は家にはいなかった。
おやつなど置かぬ家であったが、いつも炊飯器には冷えたご飯と冷蔵庫にはなめ茸の瓶詰めが切らすことなくストックされていた。
ご飯は母の郷里の山形県南陽市赤湯の米、母からいつも日本一美味い米だと聞かされ育った。
学校から帰ると日本一美味い冷たいご飯に冷蔵庫でよく冷えたなめ茸をかけて一人ボソボソ食べたものである。
障害を持つ兄を中心に我が家は回っていた。
兄と、ついでに私に不都合のないようにと、当時まだ高価な電子レンジを両親は買った。
なのにご飯はいつも冷えたまま食べていた。
高価な電子レンジは冷凍肉まん専用となった。
特に秋に限らず年中ある冷ご飯と『なめ茸の瓶詰』、日が短くなり、気温も下がっていくこの時期、一人で暗い部屋で食べるのは寂しかった。
そんな寂しい思い出が私の『茸』の思い出である。/宮島ひでき