スタンディングみや(でした。)

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兼題『初冬』

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ほんの少し前まで暑い暑いと言っていたのにもうダウンを着たやつが街をうろついている。

あまりに節操の無い近年の気候だ。

そんな中、在京の大学同期が母校の写真を送ってくれた。

武蔵野の丘に明日の風が満ちた私たちの懐かしの母校である。

税理士の彼は同窓会の幹事として大学に恩返しをしている。

よく酔っ払って私の部屋に泊まっていった。

 

下の写真は先週合気道部の後輩が送ってくれた大学最寄駅近くにある『江古田コンパ』での写真だ。

マスターの原さん、ママの長島さんはご健在とのこと、二人の顔を見ただけで40年前にスリップする。

 

母校に郷愁を感じる一日だった。

 

さて、いつもの俳句投稿サイトのお便りコーナーの一番最後に出てくる『今週のオススメ』です。

 

◆今週のオススメ「小随筆」
 お便りというよりは、超短い随筆の味わい。人生が見えてくる、お人柄が見えてくる~♪

 

●私の初冬は小春日和だ。

幸せだったあの頃の小春日和を思い出す。

幸せだったのではなく、何も考えなくともよかった、ただそれだけかも知れない。

愛知県三河地方の冬はいつも青空である。

いつもいつも良い天気なのである。

福井県から転勤してきて、お向かいに越してきたおばさんが母に『毎日布団が干せるのが信じられない。』と言っていたのをいつも思い出す。

温かな布団、陽の温もりを力一杯吸い込んだ布団、小春日和の昼下がり温かな時間がいつも流れていた。

小学校の四年までいた愛知県豊川市の社宅を思い出す。

アパートが二棟、子供たちが集まる砂場と大きな松の木を挟んで建っていた。

その頃は大きな松の木と広い砂場があると思っていた。

しかし四十を過ぎた頃に社宅の跡地に立ち寄ったことがある。

大きな敷地と思っていた社宅の跡地は思いのほか広くなく驚いた。

松の木もそれほど大きくなく、海のように思えた砂場もそれほどでもなかった。

全ては子供の記憶であった。

会社の社宅は人手に渡り当時の面影は何もなかった。

幸せを感じたあの頃に戻ることは出来ない。

でも思い出は朽ちることも無く、この世から消え去ることも決してない。

あの初冬の暖かな日差し、陽を吸って熱いくらいの布団を私の肌は忘れることなくいつまでも憶えている。/宮島ひでき

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