『ぬくとさ』を感じる日
なんだか気持ちの悪いあたたかな日が続く。
愛知の実家あたりではこんな日のあたたかさを『ぬくとい』と言う。
東三河の方言だろう。
「今日はぬくといなぁ」と、こんな感じで使うのである。
語尾に『ダラァ』なんてついたりもする。
「そうだろ」というのを「そうダラァ」と言う。
兄貴が口癖のようにこの言葉を使う。
実家の幼なじみ達と話すとまったく違和感が無いが、大阪や東京ではあまり使いたくない方言である。
方言てのは不思議である。
なぜ地域によって同じ日本語が変化したんだろうか。
きっとこんな事の理由はキチンと分かっているのであろうが、分からぬまま自分で推理するのも面白い。
完成されたズーズー弁の名手であった。
卒業する頃にはそのズーズー弁はサビ付きかけていたがその抑揚の少ないイントネーションは残っていた。
一度佐藤になんでそんな喋り方になるんだろうと聞いた事がある。
佐藤が言ったのは寒さが関係してるだろうとの事だった。
寒いから口を開けないで喋るんだと言った。
なるほどと思い口を開けずに喋ると佐藤のズーズー弁を真似るのは容易だった。
イントネーションにもたぶんそんな理由が潜んでいるのだろうがとりあえずその時は佐藤の言葉を真似できて納得した。
地方の独特ないろんな環境が影響するのであろう。
何度も言うがそんな理由は解明された事なんだろうがとりあえず知らなくともいい。
自分で考えたい。
やはり、今日のあたたかさは私的には『ぬくといなぁ』なのである。