雨の通天閣
学生時代のこと、雨が降ろうが、槍が降ろうが、二日酔いでも授業はサボっても合気道の稽古は休まなかった。
サラリーマン時代のこと、台風が来ようが、地震が来ようが、二日酔いでも会社を休むことは無かった。
基本的に責任感の強い人間だと自分のことを思っている。
学生時代は先輩が恐くて稽古を休まなかったが、立場になれば責任感だった。
仕事ももちろん責任感であった。
今日は休みだった。
雨の中、重たい身体を引きずって天王寺まで出て来た。
まだまだ先を見通すことと出来ないコロナ下で今月から稽古を始めた。
難しい判断の中でのスタートには各人の分別に基づいて参加してもらっている。
今日も自己判断の中、数人の会員さんがやって来る。
大学の後輩の連絡に『先輩は人の命を預かって、‥ 』とあった。
人の命を預かるなどとこれまで生きてきて考えたことは無かった。
コロナのせいで、コロナのおかげで色んなことを考えた。
これからも考えるだろう。
でも、今やっている事は責任感よりもこれまでお世話になった先生方、そして私を育ててくれた合気道への恩返しだと思っている。
諸先輩方が経験されなかったこのウィズコロナの中、どう稽古をするか大きな課題である。
そう思いながら自分が歳を取ったことを感じながら、雨の通天閣を横目に見て道場に向かった。