冬の楽しみ、冬の幸せ
急に冬がやって来た。
まだ秋らしい事をせぬまま冬がやって来た。
我が家にはコタツが無い。
コタツの無い生活にも慣れてしまえばなんてことはないのだが、その良さも悪さも知っていると時々コタツが恋しくなる。
小学生の頃、コタツで宿題を何度も仕上げようとしたがいつも途中で断念した。
コタツの上でモノを書き続けれるほど身体に柔軟性が無かった。
しんどくなり、横になって身体を伸ばすととても気持ち良く、たいていは温かさのなか眠りの底に落ちていった。
気が付けばもう寝床に就く時間はとっくに過ぎており、足が汗をかき気持ち悪く、ため息とともに風呂で足だけ洗い泣きたい気分で宿題を続けた。
冬はコタツに家族が集まった。
両親、兄と四人でちょうどいい冬のコタツライフであった。
そこにネコが潜り込んでくる。
熱くて、蒸れて、多少は臭かろうにネコはコタツが大好きであった。
コタツのある愛知の実家からコタツ無しの我が家にやって来た二匹のネコは暖かくて心地良い寝床をいくつも用意してもらった。
その心地良い寝床をその日の気分で渡り歩くのが彼らの楽しみなのであろう。
その幸せそうな姿を見るのが私たちの楽しみでもある。
これが我が家の冬の楽しみ、冬の幸せである。