スタンディングみや(でした。)

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兼題『実紫』ミムラサキ

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いつもの俳句投稿サイトの発表の週。

休みの一日、簡単に昼メシを済ませてパソコンに向かっている。

少し仕事をして、手紙を書いて、部屋の片付けを仕方ないから少しだけして一日は終わっていく。

 

季節は着々と冬に進み出した。

紅葉が終われば本格的に冬に備えなければならない。

葉っぱばかりか樹々の実の色もことごとく茶色へ変わっていく。

リスや小鳥、森の動物たちが冬籠りのために木の実を持ち去る前にこの目を楽しませるのは今しかないかも知れない。

 

◆今週のオススメ「小随筆」
 お便りというよりは、超短い随筆の味わい。人生が見えてくる、お人柄が見えてくる~♪

●実紫、ましてや紫式部なんて美しい名前があるなんて知らなかった。

その上品な実は鳥たちばかりではなく、子どもたちにも人気であった。

その実を集めて女の子たちはママごとをし、男たちはポケットを膨らませて友だちとぶつけ合いに興じた。

銀玉鉄砲の銀玉の代わりに詰めて鉄砲を壊した事もあった。

当時はBB弾なんてものはなく、土を丸めて銀色にペイントされた銀玉だった。 ちなみにこの銀玉の中心、核は一粒のヒエであった。 

一箱5円のこの弾は私にとっては高価なもので、友だちとの撃ち合いの後、すぐに拾いに行ったものである。

この美しい紫色の実で代用が出来ないかと思い私の銀玉鉄砲は再起不能となったのだ。

今のBB弾のプラスチックの原色よも、いかにもそれらしく作り子どもたちに魅力を感じさせた安っぽい銀色の玉に郷愁を感じる。

 

気が付けば60年もこの世にいるのだ。 昔の60歳は良かった。

その頃のサラリーマンはきちんと定年を迎えることができた。

そしてなにがしかの退職金を家に収め、すぐに年金をもらった。

嫁に邪魔者扱いされようと、子供たちに汚いと蔑まされても晩酌には必ず一本のビールか一本の熱燗がついてその存在感を保つことは出来た。

 

今の我が同胞を哀れみ、日本のいく末を心配する。

人生100年はいい、しかし100歳まで働かなくともよい。

子や孫たちに伝えることを生き甲斐として欲しい。

それもなるべく金にならぬ事を伝えて欲しい。

無駄は心を豊かにする。

皆の心が豊かになればこの日本はもっと住み良くなる。

夏井先生が播かれた種がもっと大きく花咲く頃にはきっとそんな世の中になっているに違いない。

私はそんな日本の未来を想像する。

私のように下手くそでもいいんだと思う。

普段何気なく使う日本語がこんなに面白いものだと気付いてくれれば。

俳句で日本は変わるんじゃないかな、と最近いつも思っている。

俳句っていいなと思っている。

実紫は私に俳句の良さをあらためて教えてくれた。/宮島ひでき