『島唄』
滅多に読むことのない毎日新聞、しかも夕刊をたまたま目にした。
そこに沖縄の慰霊の日に関連して、THE BOOMのヒット曲『島唄』の歌詞の持つ意味を作詞者の宮沢和史が語っていた。
そして、本土決戦を引き延ばすために犠牲になった沖縄の人たちを思っての唄であることを初めて知った。
多分知っている人の方が多いのだろう。
私には特別に歌を聞いたりカラオケで歌ったりする趣味は無い。
時折耳にしたこの歌には行ったことのない沖縄に空色の郷愁を感じるばかりであった。
自分の無知さに腹が立ち、悲しくなった。
ウージの森で あなたと出会い
ウージの下で 千代にさよなら
は『島唄』のできる経緯を知ればその時サトウキビ畑で起きたそのとおりの歌詞であった。
第二次世界大戦が終わってたった15年しかたってない昭和35年に生まれた。
恥ずかしい話、あまりに戦争の事を知らない。
15歳の年で終戦を迎えた両親から戦時中のことを聞くことはほぼ無かった。
私ばかりでなく、よほど興味を持つ人間で自ら調べなければその当時の悲惨は教科書かテレビや映画程度しか知らないだろう。
沖縄の慰霊の日や広島、長崎での平和記念式典にしてもマスメディアで目に耳にしても、やってるなって感覚だけの人が多いのではないかと思う。
こんなのが風化なんだろう。
歴史上の悲しい事実である。
この事実は明日の日本を担う子供たちのために残さねばならないことの一つであろう。
ほんの70数年前にあった悲しい事実を知るおじいさん、おばあさんたちは一番多感な幼少年時期にそれを体験している。
そして、一度リセットされた日本を復興してきた。
その上で今の幸せを享受している私たちは先輩たちに感謝をしなければならないだろうしあった事をよく知り、忘れてはいけないと思う。
『島唄』という戦争の悲惨を伝える身近なものをよく理解して一度息子にも話ししてみたいと思う。