ニッカウヰスキーの思い出
学生時代アルバイト先の方に連れていっていただいた日本語の通じない女性たちばかりのラウンジでご馳走になったのがスーパーニッカでした。
それまでのウイスキーはサントリーのホワイト、よくてオールド、中にはトリスをボトルキープしてくれる居酒屋まで学生の街江古田にはありました。
アルコールであれば何でもよく、安ければさらによく、酒の味や雰囲気を味わうなどにはほど遠く酔えばそれでいい私の時代でした。
そんななか、フィリピンパブのスーパーニッカは格別な味でした。
ウイスキーってのはこんな味なんだと雰囲気は関係無くひとりスーパーニッカを味わいました。
そして高価なことも知りました。
それからしばらくして、二年後輩の佐々木君と大手運送会社の引越しの手伝いのアルバイトをしました。
二人で一人前の私たちは仕事が終わって酒を飲みに行くことしか頭にありませんでした。
明日も仕事だというのにアルバイト料が入ってしまい佐々木君と池袋の西口で寄り道をしました。
懐は温かく入ったスナックでスーパーニッカをボトルで頼むと「学生の頼む酒ではない。」と、店の人にたしなめられました。
それでも無理に頼み一本空けて帰りました。
もう三十数年前のこと、記憶は定かではありませんが、そんなようなことがありました。 確かなのは学生には高価だったスーパーニッカと翌日二日酔いで二人は寝坊して私の部屋からフラフラしてアルバイト先に向かったことです。
ニッカの思い出はまだあるのですが、次の機会にします。
佐々木君は私のやっていた店に草加市から来てくれました。
未だに後輩の面倒をみ続けるいい男です。