足の指の話

足でモノを掴めますか？

合気道をやっていて動くカラダの各部位すべてが大切だと思うが、この足の指ってのがかなり重要に思う。

ある時期年中下駄を履いていた。

その時は何も意識しなかったが、下駄を脱ぎ運動靴に履き替えて身体の安定感が落ちたように感じた。

入身、転換、回転と自分の体重を支えながら半身から半身へ回り移動する。

自分の体重とは思う以上に重い。

ピタッと半身で静止するには

腰の据わりも大切であるが足の指の力が重要なのかも知れない。

子どもの頃食事中、落とした箸を足で掴んで拾って母に叱られた。

我ながら感心するほど足の指を上手に動かせたような気がする。

その頃は靴下を履くことは無く、裸足のままズック靴を履いていた。

成長するカラダは足も同じで、親指がズック靴の先を破ってそのまま履いていたのは私ばかりではなかった。

現代より簡素なズック靴は私の足の指を鍛えてくれた。

兄のお下がりのズック靴を履かされたこともあった。

これはこれで靴の中で指が自由に動き、足の指を鍛えてくれたのかも知れない。

世の成長とともに私たちの履く靴は進化して歩き易い、足に良いと題される靴になっていった。

過保護な靴は本来私たちの持つ力を眠らせてしまったのかも知れない。

そんな今、週に一度、二度だが裸足で稽古する私たちはカラダに良いことをしているのかも知れない。

学生時代通った合気道本部道場の土曜日8時の担当師範は佐佐木将人先生だった。

『畳を足の指で剥がしなさい。』てな事をおっしゃっていたのを覚えている。

身体に比べて手も足も大きな先生だった。

佐佐木先生ならば出来たかも知れないが私には到底無理な事であった。

でも気持ちはそんなつもりで今日も稽古に向かいたい。

眠る身体機能を目覚めさせて私の健康寿命を伸ばしたいと思っている。

ネコの足は爪も使って自由自在だ。