この世から無くなって欲しくないもの
本当の『鳥瞰図』って見たことありますか?
社会人四年目くらい、営業に移ってからのことです。
建築雑誌でこの『鳥瞰図』を描いた石原正さんのことを知りどうしてもこの『鳥瞰図』が見たくてアトリエを訪ねました。
会社から歩いて行けるところで仕事をしてました。
いろいろお話しを伺えたと思うのですが詳細には覚えてません。
とても個性的な方だなという印象だけだが残っています。
大阪城、OBP界隈のものと、大阪駅周辺のものを売ってもらいました。
航空写真と、町を全て歩いて調べて描くと言ってました。
驚くばかりでした。
当時の会社の大阪支店はこの『鳥瞰図』から少しはみ出したあたりにありました。
この『鳥瞰図』の制作が1984年、まさにこれからOBP大阪ビジネスパークの建設に着手するところでした。
その前ののどかな風景がここには残っています。
もともと勤めていた会社もこのOBP建設用地であった大阪陸軍造兵廠跡地の土地を持っていました。
建設前のこの頃は半ドンの土曜日の午後はソフトボールをやっていたと先輩から聞いていました。
いろんな思い出のあるこの界隈です。
今でこそこの『鳥瞰図』で見る角度の風景はなんてことはない平凡な風景です。
でも40年前には衝撃的でした。
そして、私の記憶に残る風景です。
航空写真の手写しだけでない人間の力でおこした絵です。
私が仕事でお付き合いした『建築白模型屋さん』がいます。
彼の仕事も同じです。
設計図に厚紙を貼り付け、それを立体化する、簡単にいったらそれだけの作業で作り上げる立体模型です。
でもその裏には驚くほどのたくさんの技術が隠れています。
3Dプリンターも一般の手に出回るこの時代に、と考える方がいるかも知れません。
そんな方がいてもいいと思います。
私には無くしてもらったら困るものです。
紙の新聞も、本も、万年筆も、電池で聴けるラジオも、です。
世の中に万人向けなんて無いと思っています。
その良さが分かる人間だけで享受出来たらいいんだと思います。
それが本当の良さだと思います。
目まぐるしく変わっていく世の中で残しておきたいものって誰にもあると思います。
建設業界で働いてきたからって訳だけじゃないですよ。
この『鳥瞰図』と『建築白模型』、一度ネットで調べてみてください。