スタンディングみや(でした。)

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ドーナツの思い出

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今でこそドーナツなどは珍しい食べ物ではないが、私の子どもの頃は家庭の食卓に当たり前にのぼるオヤツではなかった。

 

料理好きなお母さんがNHKの『今日の料理』を見ながら作るドーナツくらいしかなかったのではないだろうか。

それを当たり前にしたのは『ミスタードーナツ豊橋店だった。

豊橋駅前の広小路、豊橋市の一番の繁華街に出来た。

すぐ近くの10年ほど前に建った背の高いマンションには『暴れん坊将軍』の松平健のご両親が住んでいるらしいとの噂を聞いたことがある。

 

そんな目抜き通りに出来た『ミスタードーナツ』は大繁盛だった。

仕事の帰りに母が買ってきてくれたドーナツを兄と二人で食べたのが懐かしい。

甘いものをそれほど欲しいと思ったわけではないが、珍しさもあったが美味かった。

コーヒーと共に口にするなんてことはなく、素手で油ぎったドーナツをつかみ兄と競争でワシワシと食べた。

 

今とは違い、当時のオヤツの概念にはまだ補食という意味合いが強かったんだと思う。

職業婦人の忙しい母なりの努力で母も生まれて初めてのドーナツ屋で色んなドーナツを買ってきてくれた。

 

丸いドーナツが不思議だった。

油で揚げるのに熱を通し易くする穴なのかと子ども心に思い、型抜きした残りの穴の丸型の行方も気になった。

 

ついでに豊橋名産のチクワは加えたまま仕事をしてもその穴で呼吸が出来ると言っていた父を思い出したりした。

 

ドーナツで子どもの頃育った豊橋に思いを馳せた。

今まで住んだ幾つもの街の中で都会でもなく田舎でもなく、山も海も近く、私の好きな本屋もある豊橋が好きである。

 

しかし、その豊橋に住もうとこれまで思わなかったのはどうしてだろう。

豊橋もこれまで住んだ他の街と同様、私には通過地点だったのかも知れない。

 

今住む八尾も同じような気がする。