梅雨入り
近畿地方が今日梅雨入りしたそうである。
今日も蒸し暑い一日であった。
これからしばらくは仕方あるまい。
ハンカチ、タオルを複数ポケットやカバンに入れて過ごすしかない。
何度過ごしても慣れることのない嫌な季節であるが、四季の中の一アイテムであり無くては困る方もたくさんいる。
実は雨の日に家にいるのが好きである。
高校一年で一度だけズル休みをした事がある。
あの日も雨だった。
父も母も仕事でいない、兄は入院していた。
一日部屋で本を読んでいた。
湿気を含んだページは普段より重かった。
でも止まったような時間のなか、急ぎ読む理由は無かった。
ゆっくりした時間が嬉しかった。
人と話すこと無く、ネコを撫でながら本に目を落としていた。
今回のコロナがもう少しずれて遅れていれば梅雨に重なっただろう。
そうしたならば世で騒がれた家にいなければならぬ苦痛はもっと少なかったのかも知れない。
小さな子どものいるお宅では仕方なかろうが、私には全く苦にならない蟄居である。
咲く花を見てもらえぬ今年の桜はかわいそうであった。
この梅雨の雨音は部屋にこもって耳にするのが一番である。
コロナの第二波も想定されるなか、私は全く外に出る欲望は無い。
これからも不要の外出はせずに、雨音を聞き湿ったページを繰りながらこの梅雨を過ごしたい。