梅雨寒の夕、本と
梅雨寒の夕、食事まで本を読んでいる。
私だけに限るのかも知れないが、夏場の読書量は減るように思う。
持ち歩いて外で読まなくなるからである。
夏の多湿の中紙の本はどうもベタつく。
その中でページをめくるのが好きではない。
書店でかけてもらうカバーを大切にするのだが、ジーパンのポケットに入れておくと紙のカバーがふやけてくる。
以前はこの頃読むのは早川書房のSF、ミステリーと決めていた。
この新書にはビニールのカバーがかかっている。
出版社のどんな意図があるのか知らないが、このタイプの本はあまりお目にかからない。
カバンを持ち歩くことを極力避けていた頃にはありがたいビニールカバーだった。
コロナで自粛の間、本に接する時間は増えた。
しかし、本屋には行かなかった。
自室にある写真集を眺めていた。
料理の写真である。
レシピを読むことはあまり無い。
料理を眺めて周りにいる人間のことを想像する。
作る人と食べる人だ。
弁当の写真集が楽しい。
愛妻が思いを込めて作ってくれた弁当や、自分がその日生きていくための弁当。
作る人の顔も食べる人の顔も想像し易い。
コロナの支配下に入って電車内で紙の本を読む人が増えたように思っていたが、ステイホームで読書が少し復活してきたということのようですね。
でも料理の写真集を車内に持ち込みニヤニヤしている人にはまだ私はお目にかかってはいない。