スタンディングみや(でした。)

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兼題『藤袴』ふじばかま

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いつもの俳句投稿サイト

秋の七草の一つ、藤袴が兼題であった。

毎回投句はするもののなかなか上達しないのは自分でもわかっている。

 

十七音で表現する俳句の世界は無限である。

ルールのなかでの創作である。

それを読む人間の好みや読んだ時の環境で同じ句でも捉え方は変わるだろう。

十七音でそんな好みや置かれた環境など吹き飛ばすほどの力が必要である。

十七音に何を閉じ込めるのかを考えながらいつも脱線してよそ事を考えている。

 

合気道の袴には藤色はどうかなぁ、女性が身につけるならばサマになるかな、俺ははきたくないなあ、などといつも余計なことを考えていてなかなか十七音の創作に身が入らない。

ダラダラと書く長い文章は筆が進むが、今回の十七音にも苦戦を強いられた。

 

取り上げられたダラダラ文章です。

 

◆今週のオススメ「小随筆」
 お便りというよりは、超短い随筆の味わい。人生が見えてくる、 お人柄が見えてくる~♪

 

●私の机に友人の結婚式の引き出物でもらった小物入れがある。 三層の引き出し形式である。

存在を忘れかけていたボイスレコーダーが、そこに仕舞ってあったのに気付いたのは夏の終わりかけであった。

仕事のためにICのボイスレコーダーをこれまでにいくつも買った 。

それは最初に買ったレコーダーだった。 ちょうど片手に収まる玉子型のいかにもSONYらしい既成観念に とらわれないレコーダーだった。

私のお気に入りだったボイスレコーダーを見つけた 。

早速乾電池を入れてみた。

するとそこから二十年以上も前の時間が甦った。

当時奈良県ニュータウンに住んでいた。

緑多き休日にはゆるりと時間が流れる街であった。

近くには古墳がたくさんあり、 その古墳を中心にした大きな公園があった。

私にとって息子とたまの休日過ごすとっておきの場所であった。

その時には隣家の息子の友人が一緒であった。

レコーダーから「ニーイチシーピー、フジバカマ、キクカ、 アキノナナクサノヒトツ」と息子の友人の声が流れて来た。

各木々の説明表示である。

「 21-CP藤袴、キク科、秋の七草の一つ」 記号は公園での管理番号なのだろう。

私の声で「入浴剤の匂いがした」とも流れて来た。

天気の良い秋の午後、肌にまとわりつくようなイヤな暑さは去り、 陽射しが肌に差す心地良い暑さを感じていたように思う。

息子と息子の友人と三人で公園内を散策した記憶が甦る。

二週間に一度だけ俳句の頭に切り替える。

ねずみ男先輩と共有の時間を俳句脳で過ごす。

いつも兼題は私の記憶を再生させる。

この時間が無ければ思い出す事のない記憶はいつも物理的な事象で はない。

心理的な口での表現の難しい肌に射す陽射しや花の匂い、 五感で感じた記憶なのである。

思い出すことも不思議だが、 そんな事を覚えている事も不思議である。 やっと暑さが遠のき、散歩に弾む心があった事も思い出した。

脳での記憶と心での記憶の違いなのかも知れない。

案外俳句が広げてくれる私たちの記憶はこの心の記憶なのかも知れ ないと最近思うようになった。/宮島ひでき