食の大切
久しぶりに食事の用意をした。
今のようにコンビニやら外食産業が発達していなかった私の子どもの頃にはどこの家の子も母親の手作りの料理を食べた。
時間を買うつもりで外食や出来合いのモノに頼るのは今の世の中では当たり前かも知れない。
しかし、子どもが小さなうちは手作りの料理を食べさせてやりたいものである。
そして親の好き嫌いが子どもの好き嫌いにもなる。
本当の美味いモノ、食材の味を教えるのも親の責任であろう。
こんなベースが無ければ料理を作れる人間にはなれないと思う。
職業婦人であった母に毎日の料理はしんどいこともあっただろう。
でも、そこが母親の母親たる所以であり、親たる所以であろう。
私も離婚した後、息子の弁当とメシを四年間作り続けたらから理解出来る。
今晩はカレーライスとレタスのオリーブ油和えであった。
私の工夫の入ったオリジナルである。
家内は美味いと言って食べてくれる。
でも、私には母の作った五十年ほど前のライスカレーが懐かしい。
母には内緒でいつも私が手を加えていた。
不味かったからではない。
よく言えば『探究心』があったからである。
心の広い母はすべて知っていた。
そしていつも「どうしたらこんなふうになるの?」と聞いてきた。
そんな母が私を料理好きに育てたのかも知れない。