聞こえてきたニューコロナの足音
年末に向かいまた新型コロナウイルスの感染者が増えている。
新大阪駅を乗り換えで利用しても今までで一番の人の多さだった。
『りくろーおじさん』の順番待ちに10メートルも並んでいた。
東京から新幹線で大阪までやって来た人間に聞くと、普通に満席だったと言う。
ニュースに出ていた大阪へ来ている観光客へのインタビューでは「予約してしまってたから来た」と口を揃えて言っていた。
その場面だけを切り取って放映しているのかも知れないが、『Go To トラベル』は決して無関係ではないだろう。
そして、他人事として考えれる人間の身勝手さだろう。
自分の身に降りかかってからじゃないと分からないのである。
兄の施設は今年の初めあたりにインフルエンザで面会禁止になってからずっとそれは継続されている。
責任者と電話で話すると介護施設でのクラスターが全国で多発しつつあると言っている。
無菌室のような入所施設内に一たびウイルスが持ち込まれれば、ひとたまりもないであろう。
それを承知で、兄の施設はナーバスになっている。
自立できない障害者の兄達を預かっているのだから当然であろうが。
今年兄と顔を合わせたのは、8月の母の他界時、10月の定期検査のための静岡旅行時、この二回だけである。
年内に会うことはもう無いかもしれない。
しかし、これは私達だけではない。
全国の障害者や認知症者の介護者が今年介護からその手を離すことが出来た。
この事は日本の生産性を上げ、今後上げるための役に立ったのではないだろうか。
公の認知のもと、介護に割かれる時間が減った。
私は世間の目を気にして介護している介護者がかなりの割合でいると思っている。
日本ではまだまだ認知症者や障害者の介護の周知が、教育が遅れていると思う。
ずいぶん変わってきたとは言いながら、まだまだ親族が責任を感じて抱え込んでいる。
もっとオープンにして公に頼るべきである。
高校や大学の必須科目として『介護』を導入して全ての人間が介護を周知したらいいと思う。
介護の現場の人手不足も解消出来て一石二鳥だと思うのだが、どうなんだろう。
スーパーで特売のエビを求め、昼は家でパスタを食べた。
エビの殻をオリーブ油で揚げたら油が甘く美味いパスタとなった。
しばらくまた大人しく生活する日々に戻るのであろう。
たぶんこのニューコロナの残すものにはこのエビの殻のような私達のプラスになる事もあると思う。