『残された未来』
人生の大先輩から頂戴した手紙の中に『残った未来』という言葉があった。
そして、人の生きてゆく道には精魂を傾け、わが肉を削るほど思いつめ、もっている力のすべてを注ぎ尽くさなければならない出会いがある、とも述べられていた。
もう一通の同時に届いた手紙には交通事故の後遺症のため寝たきりになってしまった実母の介護のために家族と別居し、一人実家に帰ったと、大学の同級生から近況の知らせがあった。
『わが肉を削るほど思いつめ、もっている力のすべてを注ぎ尽くさなければならない出会い』とは、人間としてこの世に生まれてきたのならば、仕事であることが一番理想的であり、合理的ですらある。
しかし、往々にしてそうはいかないのが人生なのだろう。
ふと振り返れば、何のために生きているのであろうとため息つく人生もある。
でも、それが人生なんだと考えるべきであろう。
目の前にある事を片付けなければ人生は成立しないのである。
そして、同じ結果が待っていようともそこへ向かう過程が大切だと思う。
脇目も振らずその過程では全力を尽くして後悔を残すべきではない。
ようは全て気持ちの問題であるようにも思うが、『残された時間』を『残された未来』に変えるのは自分自身だけなのである。