稽古の帰りに
昨夜の稽古の帰り
またしばらく外で酒が飲みにくくなるなぁ、と家内と稽古の帰りに寄り道をして帰った。
素人が始めた飲み屋時代、ここのマスターにはずいぶんお世話になった。
ここのお客さん達にもだ。
私が以前ほど酒を飲まなくなったのにはいくつか原因がある。
一つは飲み屋を自分で切り盛りした事にもある。
店主自ら酒を飲んでいては商売にならない。
付き合いで一杯二杯なんて事は商売だからあって然りと思う。
頑なに受け付けない経営者も少ないことはない、なかには体が受け付けない人もいるから本人次第だろう。
私の場合、自然と飲まなくてもよくなっていったってカンジである。
それまでの私はそれこそ浴びるほどの量の酒を毎晩飲み歩いていた。
言い訳ではあるが、たぶん人並み以上のストレスがあった。
自分が強くなく、飲み屋への好奇心もあったのだが逃げるために毎晩飲み歩いていたのである。
親譲りの肝臓の強さと好奇心が災いした。
飲み屋をやったのはそんな生活にピリオドを打つためだったのかも知れない。
酒は癖のものだとつくづく思ったものである。
他に酒を飲まなくなった理由には酒の旨さがやっと分かったということもある。
それまでは惰性であり、癖の酒であった。
酒を扱って生業を立てさせてもらったからではないが、ある量を超えたら酒の味は分からなくなる。
それでも飲み続けるのは酒に申し訳ない。
久しぶりにいろんな方とお会いしていろんな話が出来た。
一時間ほどで失礼して帰路についた。
酒は好きである。
これからも飲み続けるであろう。
いろんな意味で『いい酒』を飲みたいとつくづく思った。