合気道と大根
合気道専門のブログではない。
ここで合気道の技の細かなことを述べるつもりはない。
合気道の技の構成の中に『入身』(いりみ)という動きがある。
相手が突く、切る、手を取るなどしてきた時に相手の死角である側面にサッと移動する。
この一瞬の動き、捌きの一部を入身と言う。
言葉だけでは分かりにくく、分からなくとも構わない。
要は次に続くこの一瞬の動きが一様ではないのである。
相手のスピードもあれば、身体の大きさ、手足の長さ、力の強弱に合わせ動かなければならない。
それを瞬時に感じ、動きを判断しなければならない。
ここだけを耳に入れたらとても難しい事をやっているように思うかも知れないが、こんな事はどんな武道でも、スポーツでもやっていることと思う。
そして実生活の中でも行っている事だと思う。
相手の顔色を伺って喋り方を変えたり、話す内容まで変えたりする。
それを誰もが意識せずに行っているはずである。
長く生きてきた経験や勘がそうさせる。
以前、ここで書いているが基本の動きが身についていればなんてことはない。
私たちが食事で意識せずに箸を使いいろんな形や硬さのものを口に運ぶのと一緒である。
料理のサジ加減も同じだと思う。
素材の顔色を見て料理は考えなければならない。
レシピを片手に一様な事をしていても美味しい料理は出来ない。
合気道の『入身』が全てに通じるのではなく、全てが同じだということなのだと思う。
大根を美味く炊くにはまずは顔色を見なければならない。
スーパーで見て手で持ち感じ、自宅で切って会話して感じなければならない。
合気道は難しい、と言う方がいる。
その通りかも知れない。
でも、生きることが難しいことと同じなんだと思う。
全てが同じなのでは、と思うように最近なった。