今年最後の桜
外せない用事で出かけた京橋の公園、今年最後の桜になるであろうと思い人のいないベンチに腰をかけた。
たくさんの思い出のある公園である。
営業時代、会社に戻れずこのベンチに腰掛けながら悩んだことが何度もあった。
桜は満開、好天気なのに人のいない東野田公園、なんだか不思議な気持ちがした。
こんな気持ちをしているのは私だけではないと思う。
先のわからない今日、でも誰もが前に進まなければならない。
後ろ向きな事は考えるつもりはまったくないが、終息したこの先に待っている今日を考える。
楽しさを求めて生きてきたわけではない。
しかし、私が今まで大切にしてきた、私以外のたくさんの人たちが大切にしてきたほんのひと時の至福感が無くなってしまうことは耐えきれない事と思いながら京橋『京屋本店』ののれんをくぐり女将さんに暫しの別れを告げてきた。
生まれて初めての経験を毎日しているのは私だけではないと思う。