スタンディングみや(でした。)

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IKEA鶴浜で思い出す

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昨日のこと、家内とIKEA鶴浜店まで行ってきた。

平日のIKEA鶴浜店だが、新型コロナの影響で人出は少ないということだった。

 

広い館内を回り、会計の先には100円のホットドッグと50円のソフトクリームが待っていた。

先にソフトクリームを買い、ホットドッグを注文し出来上がるのを待つ家内より先にスタンディングテーブルでソフトクリームを口にしていると、隣のテーブルからお父さんの怒鳴り声が聞こえる。

どうも子どもが食べているソフトクリームが垂れそうだからソフトをしっかり立てて食べろと言っている。

 

美味しそうに子どもは食べていた。

少しくらい洋服に垂れても子どもが美味しさと、垂れてベタベタし出した気持ちの悪さを同時に感じて次からは考えるだろうと思うのだがお父さんの強い声が妙に耳から離れなかった。

 

その事で私の小学生の頃を思い出した。

兄の通院に私もよく付き合わされた。

病気でもないのに病院に連れて行かれてもまったく楽しくなかった。

一度ふてくされて風船ガムを噛み、風船を膨らませて母にエラく叱られた。

病院にはどんなウイルスが漂っているかも知れないと言った。

それはよく理解出来た。

看護師としていつも家にいなかった母は兄の受診に私の一人を家に置きたくなかったのだろう。

優しい母である。

でも私は一緒に病院に連れて行かれるのが嫌であった。

 

そして同時に思い出した。

この時期通常ならばどこでもやるだろう夏祭りでの出来事だった。

 

私は病気の兄を抱えた家の雰囲気を察して、物をねだることの無い子どもだった。

そんな子どもらしくない子どもだったが、一度『綿菓子』をねだって買ってもらったことがある。

甘い砂糖の焼けた匂い、フワフワの綿菓子、マンガのキャラクターの印刷されたビニール袋に入った綿菓子は私には夏祭りの屋台での憧れの的だったのだ。

 

初綿菓子にワクワクし、その袋から出した瞬間である。

母が両手でその綿菓子を握り潰してしまったのだ。

 

冬やるべき雪合戦の雪玉状態だった。

硬く小さくなってしまった綿菓子が目の前にあった。

口の周りや服を汚すであろう私への配慮だろうと瞬時に察したが私は泣きたかった。

 

その綿菓子を口にしたかどうかは記憶にない。

味はどうでもよかったのかも知れない。

それまでの思いと過程があり、到達の瞬間の喜びを削がれてしまった経験であった。

 

いまだにそんな事を覚えている自分に驚いた。

そして知らず知らずのうちに私も同じような事をやってきたのかも知れないと思いなんだか目覚めの悪い朝であった。