コーヒーのある日常
私が子供の頃、昭和40年代にはまだコーヒーを習慣として飲む家庭は少なかったのではないだろうか。
普及しつつあった時期なのかも知れない。
中元、歳暮でインスタントコーヒーの詰め合わせを時々頂くようになった時代だった。
わが家での定着には時間がかかった。
お歳暮でいただいたインスタントコーヒーの詰め合わせをそのまま湿気らさてサラサラのパウダーがカチカチに固まってそのまま処分するような状況が続いていた。
そのうち母が夜勤の時に飲むと職場である病院に持って行くようになった。
思い起こせば夜勤前の日中も母はほとんど寝てなかった。
兄にも私にも手がかかったのであろう。
私は高校に行き出した頃からコーヒーを常飲するようになった。
その頃からまだ豊橋でも少なかったコーヒー専門店で買って来た豆を挽き、一人で夜遅くに飲んでいた。
それからずっとコーヒーを飲み続けている。
家でも、外でも。
営業をやっていた頃はコーヒーを飲むためではなく打ち合わせや頭の整理のために喫茶店でコーヒーを飲んだ。
今、家でパソコンに向かう時にもよくコーヒーが机の上にある。
当たり前の日常に溶け込んだものはコーヒーばかりではないであろう。
スマートホンやパソコンもそうである。
私はスマホもパソコンも無くとも生きて行けるがこの先は社会がそうさせてくれない。
私はコーヒーと本、紙と鉛筆は無いと生きづらいような気がする。
心と頭の健康を考えるとなんだかおかしいような気がする。