料理について思う
料理が好きである。
飲食店を経営していたから当たり前だろうと思われる方も多いだろうが、料理の得意でない料理人はいる。
たぶんセンスの問題だと思う。
たとえばこのニラ肉炒めの作る手順である。
下ごしらえは別として炒める順番である。
肉は誰もが最初と思うだろう。
次に私はニラを中華鍋に投げつけ、匂いの立ったところで手早くモヤシを入れて味付けをして仕上げる。
ゴマ油で肉に加熱した後、多分1分以内には完成であろう。
その間はもちろんずっと強火である。
モヤシの水分を浸透圧で出さないためである。
そういう事を教えてもらわなくとも何となく分かるのが料理のセンスだと思う。
材料の切り方、火の加え方とかのそんなちょっとした事で味が変わってしまう。
食感が変わってしまう。
近所の王将(大阪王将)の肉ニラ定食がいい。
私の好みである。
餃子も美味しい、焼き加減もいい。
私はたぶん世の中の食べ物の中でこの焼き餃子が一番好きだ。
野菜と肉バランスの取れた料理である。
焼き上がった皮と蒸し上がった餡、このバランスが難しい。
ただ、この餃子はご飯があると味が倍増する。
小麦粉の皮に包まれた餃子は麺類の仲間として考えるべきだと思う。
だから、美味い餃子に遭遇してしまうとご飯も進んで炭水化物過多となる。
ビールも進み、私たち中年族は気をつけなければならない。
餃子は語れば長くなる。
またの機会にしようと思う。
家内と二人がけのテーブルで食事していると、私の背後のテーブルから『肉ニラ定食、餃子ダブルで!』と女性の声で注文があった。
私が一人前で腹一杯になるのに二人前の餃子と肉ニラとご飯とスープを平らげるガテン系の元気な姉ちゃんかと帰りに横目でチラ見すると、なんとなんと三十代くらいのスーツ姿の仕事帰りの女性であった。
餃子を愛する美しい同志に出会い嬉しくなる瞬間であった。
ビールの一本でも差し入れたかったが、家内を同伴、もちろんしてない。