スタンディングみや(でした。)

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台北の母をたずねて

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昼下がり、私の台湾の母黄絢絢さんから電話がきた。

母の親友である絢絢さん、今年で93歳になる。

いつも私の身を案じて電話をくれる。

 

日本の統治下で日本語の教育を受けた絢絢さんはいまだに日本語の読み書きは達者である。

ひょっとしたら私よりも。

 

日本を敬愛してやまない絢絢さんであるが、日本の教育を受けたがために母国語の北京語が出来ないと私が子どもの頃こぼしていたのを憶えている。

そして定年退職後、夜学で勉強していると聞いていた。

 

でも、そのあと中途半端で終わらせてしまったと聞いた。

お母さまの看護・介護に時間が取られるようになったのだ。

 

今絢絢さんがいる台北淡水の大きな大きな老人ホームはお母さまが亡くなるまでいた場所である。

そこに引き続いて絢絢さんはいる。

かなり長くいることになるのだがそこの若い職員さんたちとは100%言葉で気持ちが通じないと言っていた。

同国民でありながら言葉の壁があるのである。

時代を理由に済ますことのできない壁がある。

中国大陸から移り住んだ絢絢さんのご両親、そして絢絢さん方が使ってきた台湾語は遺物となりつつあるのだろう。

 

私が日本の若者たちが使うチャラけた言葉が分からないのとは違う。

ずっと日本だけで生きて来た私たちには理解しがたい気持ちがあるだろうと思う。

もう、私が絢絢さんを気遣わなければならないのにいつもいつも私の事ばかり心配してくれる。

 

コロナが落ち着いたら絢絢さんの顔を見に行かねばならないと昼下がりにコーヒーを飲みながら思った。